インターネットカルテ 守秘義務無視

【患 者】Mさん(3歳)
【主 訴】突然の意識消失
【既往歴】生来より空間認知能力に劣る傾向がある。
【家族歴】特記すべきこと無し
【職 業】MS IntelliMouse Explorer(初期型)
【現病歴】
7月20日頃より、本マウスは仕事中に発作的に意識消失を発症するようになった。突然のマウスの制止は数秒で解除され、持続時間は長くなかった。患マウスの所有者はPCの異常負荷にともなうフリーズをまず考え、負荷モニタリング試験を施行するも、負荷とマウス意識消失との関係は見いだされなかった。また、マウスを前後左右に激しく円を描くように移動させたとき、意識消失を誘発出来ることからUSB周りの異常ではないかと考えるようになった*1。また所有者は、今日現在の室内温度の上昇によってMBや電源の温度上昇によって、この症状が誘発されているのではないかとも考えていた。(7月23日、PC本体上部にUPSを載せて使用していたところ、ソフトインストール時にフリーズを経験していた。)
鑑別を行う為に必要とされる 他の(かわりの)マウス*2を所有していなかったことや多忙であったことより、所有者はこの現象を放置していた。加えて、ウィルスチェックなども施行するが感染は陰性であった。
7月24日、午前0:00頃、所有者はマウスのケーブルの屈曲によってこの発作が誘発されることに気づいた。所有者はこの誘発試験陽性所見より’ケーブル出口症候群’を強く疑い、マウスの試験分解(fig.1)を施行し、出口部のケーブル観察後、屈曲伸展負荷を加えたところ、マウスはPCから完全に認識されなくなった(fig.2)。

所有者は’ケーブル完全内部断線症*3’と診断し、試験分解から引き続いて緊急手術を施行した*4。患部とおぼしき部位を切除し迅速病理にまわした。

病理所見(fig.3、fig.4)

ケーブルの外見上の明らかな断裂は見られず、表皮を切開し内部を確認した。シールドの断裂は確認出来たものの、それ以上の所見は見られなかった。黒・緑・赤・白の四本のcordは黒・白は正常であったが、緑では完全断裂、赤は半数で断裂を確認した。この緑の完全断裂は今回の症状と合致するとの報告だった。

切断された内部の4本のケーブルとGNDの5本を端子側とマウス側で端端吻合*5し、それらを個々にテープで保護した(fig.5)。動作確認目的でマウスをPCに接続し電気の再灌流を確認した後*6に、ビニールテープで患部全体を丁寧に保護し(fig.6)*7、埃などを除去する目的で綿棒で洗浄し、外壁を閉じた。

術後半日を経過したが、とくに問題は生じていない。

*1:Hubを2つほど噛ませている

*2:USB・PS/2を含めて

*3:とどめを刺したのは自分やし

*4:かわりのまうすもってないねん

*5:

*6:認識されるようになった

*7:ここでもう一度、灌流確認している